「永遠の都ローマ展 カピトリーノ美術館の至宝でたどる二千年の歴史と芸術」を観ました。世界的に最も古い美術館のひとつに数えられるカピトリーノ美術館のコレクションを中心とした、ローマの歴史と芸術の展覧会です。ご丁寧に展覧会の公式サイトにSNS用の会場写真が用意されていたので、そちらもありがたく使わせていただきながらご紹介します。
東京会場のみどころは、「カピトリーノのヴィーナス」像です(東京会場のみ展示)。門外不出といわれていた、カピトリーノ美術館の至宝です。
展示風景はこんな感じ。カピトリーノ美術館では彼女は8角形の特別な個室にいらっしゃいますが、東京にも特別なスペースが用意されていました。
ちなみに、来年の福岡会場ではカラヴァッジョの絵画「洗礼者ヨハネ」(日本初公開)が限定展示されます。
本展のみどころその2は、コンスタンティヌス帝の巨大像(の断片)です。
でかいです。多分想像よりでかいです。頭部は約1.8m。寸法のイメージとしては、実際の人間の5倍強です(つまり体積は125倍)。頭部と左手はブロンズの原作を石膏で、左足は大理石の原作をグラスファイバーで複製したものです。
こういうものを見ると、銅像を建てるのはよほど偉い人でないと(巨像でなくても)恥ずかしいな、と思ってしまいます。「皇帝」など存在しないはずの今でも誰かの巨像を作っている国もありますが、そんな場所では時が止まっているのかもしれません。(人ってつい巨大なものを拝んでしまうものなのよね…)
ローマといえばギリシャと一体化した神話があるので、それこそヴィーナスなどといった八百よろずの神々が信仰されていたと思うのですが、いつの頃からかキリスト教が力を持つようになります(コンスタンティヌス帝が313年にキリスト教を公認。カピトリーノ美術館の所蔵品の多くは教皇の尽力によるもの)。
彫刻作品が主でしたが、平面作品もいろいろ展示。カピトリーノ美術館は18世紀半ば、教皇ベネディクトゥス14世(在位1740-58)がイタリア名家のコレクションを収束し絵画館を設立しました。
ほかには、カピトリーノ美術館のあるカンピドリオ広場はミケランジェロが設計したんだよとか、同美術館と日本にはちょっとした縁があるんだよということを紹介。岩倉使節団がイタリアへ行った際、同美術館を訪れていました(1873年)。日本最初の美術教育機関が設置されたとき(1876年、工学寮美術校(のちの工部美術学校))、教材として海外から持ち込んだ石膏像のひとつに、カピトリーノ美術館蔵の彫刻もありました。
デュオニソスは酒の神で男性ですが、小栗学生は胸元に装飾を加えるなどして女性像として作り変えています。
この「デュオニソスの頭部」をもとにした石膏像は美術大学の受験で使われるデッサン用の像として定番で、アリアドネから転じて「アリアス」と呼ばれているそうです。アリアドネもまた神話に出てくる人物のひとりではありますが、実は「アリアス」はアリアドネでもアリアンヌでもなく、デュオニソスだったんですね。ややこしい…。
いつかローマに行ったなら、「ローマの休日」のスペイン広場ではなく、カンピドリオ広場に行ってみたいと思います。
--
展覧会情報
会期 2023年9月16日(土)~12月10日(日)
会場 東京都美術館
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、 毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション
共催 ローマ市、ローマ市文化政策局、ローマ市文化財監督局

0 件のコメント:
コメントを投稿