2026-01-27

LOVE いとおしい…っ!

 【特別展 LOVE いとおしい…っ! ―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―】

鑑賞メモ。



山種美術館の所蔵品を中心に、恋愛や家族愛、身近な動物への慈しみの愛や郷土愛など、広範囲な”LOVE”にまつわる近現代の日本絵画を展示。

チラシのメインアートは福富太郎コレクション(「昭和のキャバレー王」と呼ばれた実業家 福富太郎(本名、中村勇志智 1931~2018)が蒐集した美術品群)より鏑木清方の「薄雪」(1917(大正6)年)。近松門左衛門の心中もの『冥途の飛脚』の一場面です。とても美しくはかない感じに描かれています。


北野恒富「道行」(右隻)(1913(大正2)年頃)

同じ心中ものでも、こちら↑はなんだかドロッとしています。やはりお題は近松門左衛門で『心中天網島』。既に死のにおいがします。


展示序盤にあった小さな作品が目を引きました。速水御舟「桃花」(1923(大正12)年)です。画家の長女の初節句のために描かれたもの。中国の絵画様式「折枝画(せっしが)」(花木の枝先をクローズアップして小画面に描く中国伝統の花鳥画における古典的様式)にならい、つぼみがそっと開き始めた桃の枝先が描かれています。娘へのLOVEがこめられたやさしい絵画です。


ところで、本展でたった一つ撮影の許されていた作品が、こちら。狂える愛の物語より。8枚の連作のうちの1枚です。


小林古径「清姫(その4)清姫」

道成寺に伝わる安珍清姫伝説(ストーカー女が大蛇に変身して自分を拒否する愛しい男を焼き殺すというお話)の一場面。清姫が片思いの相手 安珍を追って疾風のごとく山を越える様子です。すでに人間じゃない感じが出てきていますね。



人間への愛もいいけど、私が気になるのは動物画です。なかでも竹内栖鳳が好き。山種美術館では「斑猫」がおなじみですが、今回は「みゝづく」(1933(昭和8)年頃)「鴨雛」(1937(昭和12)年頃)が展示されていました。なんというか、はらはらっとした筆遣いで、シンプルながらもリアルな描写が見事だなあと思うのです。

あと、小林古径の猫もよかったです。


小林古径「猫」(1946(昭和21)年)

凛々しくお座りした猫の姿はエジプトのバステト神に取材したと思われます。添えられた桔梗もおしゃれ。


近寄って見ると意外とほっぺにモチモチ感のある愛らしいお顔でしたよ。


かなり無理矢理感が否めないテーマと内容ではありましたが、久しぶりに多彩な日本絵画を堪能できました。



残念ながら日本美術の展覧会は撮影不可なことが多くて…。展示作品のいくつかは山種美術館のSNSで見られます。(一部「文化遺産オンライン」へのリンク貼っときました。)




余談ですが、山種美術館はロビーにカフェがあり、その向かいで作品紹介動画が見られるのですが、カフェでのお客さんの会話にかき消されて動画の解説音声がなんも聞こえなかったよう! 何とかならんかね…。

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展覧会情報

会期:2025年12月6日(土)~2026年2月15日(日)
会場:山種美術館
主催:山種美術館、朝日新聞社

2025-10-29

ミッフィー展

 【生誕70周年記念 ミッフィー展

 5年ごとにやってくるミッフィー展もいよいよ70周年展です。今回は横浜会場に行ってきました。


単純なようで繊細なブルーナさんの絵本原画を見るといつも感動するのですが、今回『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』からの『うさこちゃんとたれみみくん』という流れの展示はもう、泣きそうでした。何というか、忘れていた何かを思い出したような気持ちになりました。


「うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん」(1996年)



「うさこちゃんとたれみみくん」(2006年)


『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』と『うさこちゃんおとまりにいく』の原画は初来日。


「うさこちゃんおとまりにいく」(1988年)


うさこちゃんはかなりのシンプルさが追求された絵で表現されているにもかかわらず、とてもおしゃれ。スカーフをまいたり、花柄のワンピースを着こなしたりと、いろいろなファッションで読者の目を楽しませてくれます。いずれも甲乙つけがたいのですが、私の今の気分は「海パンミッフィー」かな。ブルーナさん自らの『うさこちゃんとうみ』の読み聞かせ映像も会場で流れてたし。


「うさこちゃんとうみ」(1963年)

フリルのついたかわいい海パンを着て海を満喫する初期のうさこちゃん。もう少しおねえさんになると、ワンピースタイプの水着を着るようになります。


今回面白かったのは、絵本の線画が描かれた透明フィルムとブルーナカラーの色紙を重ねて自由な組み合わせを試せる体験コーナー。これはいつまでもやってしまいそうになります。ブルーナさんもこうやって配色を考えていたのかな。ちなみに「ブルーナカラー」とは、ブルーナさんがいつも絵本に使っている色のことで、黒を除くと、赤(オレンジっぽい)、青、緑、黄が基本。茶、灰は特別な時にだけ使われます(ボリスやゾウなどの色)。あと、にんじん専用のオレンジがあります。


いやしかし、何年たってもうさこちゃんはかわいいですなあ。いいですなあ。


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展覧会情報

会場:そごう美術館
会期:2025年9月13日(土)~11月4日(火)
主催:そごう美術館、神奈川新聞社、「誕生70周年記念 ミッフィー展」実行委員会
後援:オランダ王国大使館、神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会
企画協力:ディック・ブルーナ・ジャパン、Mercis bv
協賛:ミサワホーム、フェリシモ、そごう・西武
協力:福音館書店、講談社

次回は名古屋に巡回します。

2025-09-09

ピカソの人物画

 【ピカソの人物画

20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソ(1881-1973年)の人物画に焦点を当てた小企画展です。近年多数の寄託作品により拡充された国立西洋美術館のピカソ・コレクションをまとめて展示。



初期の「青の時代」と呼ばれる頃の肖像画や戦前(第一次世界大戦)のキュビスムの実験的な作品、戦後の様式化された頭部など、技法も鉛筆による素描から油彩まで、幅広い多様な表現による人物画が展示。


ポスターになっていた油彩画「小さな丸帽子を被った座る女性」(1942年)についての科学調査結果の報告も。もともとは小さな帽子ではなく、明るい色調の大きなつば広の帽子を被っていたということが判明したとのこと。ちなみにモデルはドラ・マール。


画商からもらったルカス・クラーナハ(子)の複製絵葉書に触発されて挑んだリノカット(リノリウム版画。リノリウムというゴムのような合成樹脂材を彫って版にする技法。木版に似ている)による多色刷りも展示(1958年)。版画なので左右は反転していますが、構図や宝飾品は原画に忠実。一方、頭部は横顔と正面向きの顔を組み合わせた表現になっています。

参考:ルカス・クラーナハ(子)「女性の肖像」(1564)


小規模ながらピカソの人物画の変遷がよく分かる興味深い展示でした。

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展覧会情報

会期:2025年6月28日[土]-10月5日[日]
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室
主催:国立西洋美術館


スウェーデン国立美術館 素描コレクション展


 【スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで】

質、量ともに世界屈指といわれるスウェーデン国立美術館の素描コレクションの展覧会です。スウェーデン国王付きの建築家ニコデムス・テッシン (1654-1728年)と、彼の息子で王室の廷臣であったカール・グスタフ・テッシン(1695-1770年)のコレクションが基盤となっています。

イタリア、フランス、ドイツ、ネーデルラントの地域別の構成で展示。



まずは”素描”についての解説から。素描(デッサン、ドローイング)は、線描中心の平面作品です。画材や技法は時代や地域によって様々。木炭、チョーク、水彩、インクなど。また、制作の目的も様々。模写や写生、アイデア、完成した美術作品の記録、観賞用など。

左から「葦ペン」(現代)、「羽根ペンと携帯用ペンケース」(イギリス、19世紀)、「訂正用ナイフ」(イギリス、18世紀頃)、「羽根ペン削り用ナイフ」(イギリス、19世紀)

1.イタリア

パルミジャニーノ(本名フランチェスコ・マッツォーラ 1503-1540)
「聖ヨハネと男性聖人を伴う「長い首の聖母」のための習作、
左に向かって歩く男性」
ペン、褐色インク、灰色の淡彩、赤チョーク、枠線、紙

マニエリスムの代表的な画家、パルミジャニーノ。「長い首の聖母」のために約30点の素描習作を残しました。画面左の男性像は聖ヒエロニムス像のための準備素描と思われています。

参考:「長い首の聖母」(1534-40年、未完)
結局聖人は後ろの奥のほうに移動、聖母子と天使が中心になりました。


2.フランス

ニコロ・デッラバーテ(1509/12-1571)に帰属「蛙男」
ペン、褐色インク、淡い褐色の淡彩、紙(本紙より切り抜いて別紙に貼りつけ)


これはフォンテーヌブローの宮殿で催されたページェント(仮装行列やショー)のための衣装デザインと思われます。役柄の詳細は不明ですが、骨まで見える足のデザインや網?に小さな蛙が居たりと芸コマ。



メインアートになっていたのは、豪華な天井画のデザインです。

ルネ・ショヴォー(1663-1722)「テッシン邸大広間の天井のためのデザイン」
ペン、黒インク、筆、不透明水彩、透明水彩、金泥、紙

スウェーデンの国王付き建築家ニコデムス・テッシンの自邸のために制作させた天井装飾のデザイン。作者のショヴォーはスウェーデン国王に仕えたフランス出身の彫刻家です。

中央部分。竪琴を奏でる芸術の神アポロンと詩神ムーサたち。


3.ドイツ

マティアス・グリューネヴァルト(本名マティス・ゴットハルト・ナイトハルト)
(1470頃?-1530頃)
「髭のない老人の頭部」
木炭、紙

作者はアルブレヒト・デューラーと並ぶドイツ・ルネサンスの最重要な美術家のひとり。「AD」というモノグラム(左上)と「Albert Durer」(左下)という文字が書かれていますが、20世紀に入ってから本作はグリューネヴァルトに帰属しました。かつてデューラー作と思われていたのか、誰かがデューラー作にしたかったのか…?


ハンス・ホルバイン(子)(1497/98-1543)
「バーゼルのラハナー家の紋章盾があるステンドグラスのデザイン」
ペン、黒インク、灰色の淡彩、赤みがかった水彩による後補、紙

ステンドグラスってもっと縁取りくっきりで平面的、みたいなイメージがあったんですが、こんな感じになるようです↓ 同じ作者によるデザインのステンドグラスです。

参考:「ピラトに裁かれるキリスト」(16世紀)


4.ネーデルラント

ピーテル・パウル・ルーベンス「アランデル伯爵の家臣、ロビン」(1620)
ペン、褐色インク、黒と赤のチョーク、白チョークによるハイライト、黒インクによる枠線、紙

アランデル伯爵夫人の肖像画のための習作。衣装の色や素材についての書き込みがあります。ルーベンスは工房で絵画制作をしているので、指示として必要だったのかな。

参考:「アランデル伯爵夫人、アレシア・タルボットの肖像」


レンブラント・ファン・レイン「ティティア・ファン・アイレンブルフの肖像」(1639)
ペン、褐色インク、褐色の淡彩、紙

なんだか素描でもレンブラントはレンブラントっぽいですね! モデルは彼の妻サスキアの妹です。


コルネリス・フィッセル(1629頃-1658)「眠る犬」
黒と赤のチョーク、黒の淡彩、黒の枠線、紙

動物がテーマの作品はどの展覧会でも人気ですが、今回の注目動物はこちらの犬です。

そっとなでなでしたくなりますね。


地域別の展示でしたが、たしかにそれぞれの地域の雰囲気が作品から感じられました。いわれてみれば不思議とイタリアの作品はイタリアっぽいし、フランスの作品はフランスっぽいし、ドイツの作品はドイツっぽいし、ネーデルラントの作品はネーデルラントっぽいです。

そしてなんだか、素晴らしい素描というものは観ただけで自分も絵がうまくなったような気がしてくるのでした。この展覧会を観たら、あなたも絵を描いてみたくなるかもしれません。


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展覧会情報

会期:2025年7月1日[火]-9月28日[日]
会場:国立西洋美術館
主催:国立西洋美術館、読売新聞社
企画協力:スウェーデン国立美術館
協賛:DNP大日本印刷
協力:スウェーデン大使館、全日本空輸、TOKYO MX、西洋美術振興財団


2025-06-29

ルノワール×セザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠

【オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠】を観ました。


パリのオランジュリー美術館がオルセー美術館の協力を得て、ルノワールとセザンヌ両画家に同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展。ミラノ、マルティ二、香港を経て、日本へやってきました。このあとはソウルへ行くようです。

以前のオランジュリー美術館コレクション展で展示されたものも多く再来日。ルノワールの「ピアノの前の少女たち」が記憶よりもかなり大きかったです(116×81cmだって)。

ルノワール「ピアノの前の少女たち」(1892年頃)


ピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir,1841-1919)とポール・セザンヌ(Paul Cezanne,1839-1906)は、印象派およびポスト印象派を代表する2人の巨匠です。1860年代の初め、印象派の画家たちを通じて、両者は知り合います。彼らの間にはお互いを認め合う友情が芽生え、生涯にわたり良好な関係だったそうです。


さて、それぞれの共通した画題の絵を見比べていきます。まずは果物。


ルノワール「桃」(1881年)

この桃はいい匂いがしそうだけど…


セザンヌ「わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご」(1890-1894年)

こっちはりんごなのかどうかも怪しい。そして物がずり落ちそうな傾斜のテーブル。


屋外の景色は…

ルノワール「雪景色」(1875年頃)

ルノワールは寒いのが苦手だったそうで、「冬の景色といえばこの作品だけだね」と語っていたそうです。


セザンヌ「樹木と家」(1885年頃)

奥行きのある風景のはずなのに、平面的です。


身近な人を描いてみると…

ルノワール「若い男と少女の肖像」(1876年)

友人(美術評論家 ジョルジュ・リヴィエール)を描いたと思われるこちらは屋外の日差しの温かさを感じさせるのに対し…


セザンヌ「画家の息子の肖像」(1880年頃)

セザンヌの描いた息子は前述のりんごと同じく無機物のようなひややかな質感です。右側にある物体は椅子の一部のようです。


浴女を描いてみたならば…

ルノワール「長い髪の浴女」(1895年頃)

アングル風の時代を経て豊満な女性像を描くようになったルノワール。


セザンヌ「3人の浴女」(1874-1875年)

豊満、なのかもしれないけれど、相変わらずの石のような硬さで構図を大事にするセザンヌ。


お花も比較してみます。


ルノワール「桟敷席の花束」(1880年頃)

エドゥアール・マネの影響を受けて描いた花の静物画。いわれてみればマネっぽい。ルノワールは他の作品でも花束を好んで描き込みました。


セザンヌ「花と果物」(1880年頃)

セザンヌの静物画は、花よりも果物が多く描かれています。

セザンヌ「青い花瓶の花」(1880年頃)

このセザンヌの2枚は、興味深いことに1枚目は画商でコレクターのポール・ギヨーム、2枚目はポールの死後妻のドメニカが購入。当初は修復が施されていたため対の作品と気づきませんでしたが、上塗りが除去されると、2点がもともと一つの作品だったことが確認されました。


なんとなく繋いでみました。


こうして比べてみると、それぞれの画家の良さがより理解できるような気がしました。あたたかく華やかなルノワールと、ゴリゴリしてどこか違和感のあるセザンヌ。あなたはどちらがお好き?



余談…

展示はおよそ50点。わりとあっさり目の展示なのですが、それにしては、チケットが、高い…と思いましたよ。ああ、これが円安というものか。

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展覧会情報

 会場:三菱一号館美術館
 会期:2025年5月29日(木)~9月7日(日)
 主催:三菱一号館美術館、オランジュリー美術館、オルセー美術館、日本経済新聞社
 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
 協賛:DNP大日本印刷




オランジュリー美術館、オルセー美術館を含むパリの美術館ガイド。



2025-05-30

梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美

  「梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美」を観ました。2024年にジュエリーアーティストの梶光夫氏より国立西洋美術館に寄贈された工芸コレクションの展覧会です。



 このコレクションは、ほぼすべてが「エマーユ」の作品です。emaux(エマーユ・仏語)は英語だとenamel(エナメル)、日本では七宝(しっぽう)と呼ばれるものとほぼ同じ。金属などの表面にガラス質の釉薬を焼き付けたものです。琺瑯(ほうろう)も仲間です。

 12世紀にはフランスのリモージュが”エマーユの町”として全ヨーロッパで知られていましたが、14世紀以降エマーユ産業は衰退。15世紀末に「エマーユ絵画」という新たな技法とともに復活。しかし17世紀半ばに再び衰退。次の復活の舞台は19世紀後半のパリでした。梶コレクションはそんな2度目の復活後の19世紀末から20世紀初頭の作品を中心に集められています。


 エマーユは飾り棚にあしらわれたり…

「エマーユの飾り棚」(1890年頃)

「エマーユの飾り棚」上部のエマーユ


2×3cmぐらい?の小さなピルケースにつけられたり…

「聖女ファビオラのピルケース」(19世紀後半)


有名絵画の模写が作られたり…

シャルル・ペルタン「《グランド・オダリスク》に基づくエマーユ絵画」(20世紀初頭)


ブローチに仕立てたり…

「愛らしい乙女のブローチ」(20世紀初頭)


…といったふうに、様々な姿で輝いています。


L.マルシャン「アイリスと女性」(1900年)

豊かな色彩となめらかな曲線が表現できるということもあり、アールヌーヴォーのスタイルとエマーユはとても相性が良いのですね。19世紀の再復興にはそんな理由があるのかもしれません。


 展示の中で目を引いたのはたくさんの極小のエマーユ。1円玉に満たないぐらいの大きさのエマーユがずらりと並んでいました。

「女性像とバスタイユの背景」(19世紀後半)

バスタイユとは下地の金属に模様を刻み、その上に透明・半透明のエマーユを施す技法のことです。


「花のゴールドエマーユ」(制作年代不詳)

通常、エマーユの素地の金属には銅が用いられますが、金が使われているものをゴールドエマーユと呼びます。またこれは、細い金属の線で輪郭が形作られ、その枠内にエナメル釉を置いて焼成するクロワゾネという技法が使われています。七宝でいうところの有線七宝ですね。


 コレクターの梶氏自らデザインしたエマーユジュエリーも展示。

デザイン:梶光夫「ゴールドエマーユペンダント」(エマーユは19世紀後半)


 小さな展示室ではありますが、細やかでゴージャスなエマーユの美を堪能しました。

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展覧会情報

会期  2025年3月11日[火]-6月15日[日]
会場  国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)
主催  国立西洋美術館