2025-06-29

ルノワール×セザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠

【オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠】を観ました。


パリのオランジュリー美術館がオルセー美術館の協力を得て、ルノワールとセザンヌ両画家に同時にフォーカスし、企画・監修をした世界巡回展。ミラノ、マルティ二、香港を経て、日本へやってきました。このあとはソウルへ行くようです。

以前のオランジュリー美術館コレクション展で展示されたものも多く再来日。ルノワールの「ピアノの前の少女たち」が記憶よりもかなり大きかったです(116×81cmだって)。

ルノワール「ピアノの前の少女たち」(1892年頃)


ピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir,1841-1919)とポール・セザンヌ(Paul Cezanne,1839-1906)は、印象派およびポスト印象派を代表する2人の巨匠です。1860年代の初め、印象派の画家たちを通じて、両者は知り合います。彼らの間にはお互いを認め合う友情が芽生え、生涯にわたり良好な関係だったそうです。


さて、それぞれの共通した画題の絵を見比べていきます。まずは果物。


ルノワール「桃」(1881年)

この桃はいい匂いがしそうだけど…


セザンヌ「わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご」(1890-1894年)

こっちはりんごなのかどうかも怪しい。そして物がずり落ちそうな傾斜のテーブル。


屋外の景色は…

ルノワール「雪景色」(1875年頃)

ルノワールは寒いのが苦手だったそうで、「冬の景色といえばこの作品だけだね」と語っていたそうです。


セザンヌ「樹木と家」(1885年頃)

奥行きのある風景のはずなのに、平面的です。


身近な人を描いてみると…

ルノワール「若い男と少女の肖像」(1876年)

友人(美術評論家 ジョルジュ・リヴィエール)を描いたと思われるこちらは屋外の日差しの温かさを感じさせるのに対し…


セザンヌ「画家の息子の肖像」(1880年頃)

セザンヌの描いた息子は前述のりんごと同じく無機物のようなひややかな質感です。右側にある物体は椅子の一部のようです。


浴女を描いてみたならば…

ルノワール「長い髪の浴女」(1895年頃)

アングル風の時代を経て豊満な女性像を描くようになったルノワール。


セザンヌ「3人の浴女」(1874-1875年)

豊満、なのかもしれないけれど、相変わらずの石のような硬さで構図を大事にするセザンヌ。


お花も比較してみます。


ルノワール「桟敷席の花束」(1880年頃)

エドゥアール・マネの影響を受けて描いた花の静物画。いわれてみればマネっぽい。ルノワールは他の作品でも花束を好んで描き込みました。


セザンヌ「花と果物」(1880年頃)

セザンヌの静物画は、花よりも果物が多く描かれています。

セザンヌ「青い花瓶の花」(1880年頃)

このセザンヌの2枚は、興味深いことに1枚目は画商でコレクターのポール・ギヨーム、2枚目はポールの死後妻のドメニカが購入。当初は修復が施されていたため対の作品と気づきませんでしたが、上塗りが除去されると、2点がもともと一つの作品だったことが確認されました。


なんとなく繋いでみました。


こうして比べてみると、それぞれの画家の良さがより理解できるような気がしました。あたたかく華やかなルノワールと、ゴリゴリしてどこか違和感のあるセザンヌ。あなたはどちらがお好き?



余談…

展示はおよそ50点。わりとあっさり目の展示なのですが、それにしては、チケットが、高い…と思いましたよ。ああ、これが円安というものか。

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展覧会情報

 会場:三菱一号館美術館
 会期:2025年5月29日(木)~9月7日(日)
 主催:三菱一号館美術館、オランジュリー美術館、オルセー美術館、日本経済新聞社
 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
 協賛:DNP大日本印刷




オランジュリー美術館、オルセー美術館を含むパリの美術館ガイド。



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